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モーターサイクルと自転車とキャンプの日々。

Quarq CinQo Saturn w/ FSA Team Issue Carbonまとめ

Quarq CinQoについて過去にいくつかエントリを書いてきましたが、ひとまとめにしたページがありませんでした。というわけで、このエントリではCinQoの現在、知られていること、知られていないこと、苦労話、過去ページへのリンクについて言及します。

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■モデル 2008年初頭にデビューしたCinQoですが、2009年3月現在、Quarq CinQoは2代目のCinQo Saturnにモデルチェンジしています。

↓これが旧版 [flickr]photo:2360248322[/flickr]

↓こちらが現行のCinQo Saturn [flickr]photo:3228576704[/flickr]

ボルト取り付け部分を連結した構造に変更されており、ちょうど土星の輪のような形になりました。推測ですが、歪み量を安定化するための剛性アップが目的ではないかと思います。

センサー側のハードウェア、ソフトウェアがどのように変更されたかは解りません。当初$1195だった価格は$1495に上がってしまい、お値頃感が薄れてしまったのが残念です。

■対応するクランク 既存のクランクのスパイダーアームを交換する構造のため対応するクランクが限られています。対応製品は以下の通り。

  • FSA Team Issue Carbon / Pinarello MOST
  • SRAM S900
  • Rotor Agilis
  • Bontrager Race X Lite
  • Truvativ Rouleur Carbon

日本で入手製がいいのはFSAとRotorでしょうか。後述しますが、自分で組み付けるのであればRotorをお勧めします。

ちなみに、以前Quarqへ問い合わせて質問をしたのですが、今のところPCD130の製品のみがリリースされており、コンパクトドライブ(PCD110)、トラック(PCD144)向けの製品は今後対応するとのこと。

■ディスプレイ、ロギング CinQoにロガー、表示部(いわゆるヘッド部分)が存在しません。代わりにANT+Sportに対応した機器であれば通信が行えるようになっています。対応製品はGarmin Edge 705, iBike Proが主なところでしょうか。

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※ひょっとしたらANT+Sportに対応したSRM PowerControl, PowerTapで受信出来るかも知れませんが試したことがありません。

■ハードウェア的な弱点 雨天でデータ異常が起こる問題が報告されています。

カルロス・サストレを擁するCervelo TestにCinQo Saturnが供給されており、テストキャンプで同様の問題が再現したため、現在は改良版が流通しています。改良前の製品を利用している方は、連絡すれば無償でアップグレード可能だそうです。

※わたしはまだ連絡していないのでした〜

バッテリが交換可能なのでそこから漏電するのでしょうか。

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水没の問題のほか、SRMと異なりユーザがトルクのキャリブレーションを行う手段がありません。将来的に対応してくれることを祈りましょう。

■インストール わたしはFSA Team Issue Carbonに装着を行いました。

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Team Issue Carbonは鋳造アルミのスパイダーアームが装着されていて、T25のトルクスボルトでクランクアームに固定されています。ボルトは非分解を想定しているようで、エポキシ樹脂が染み込んでいて容易に緩めることが出来ません。

自分で脱着を試みましたが、手持ちの工具では対応出来ず、オートバイのレースエンジニアをしている友人に作業を依頼しました。4本のボルトのうち3本は通常の工具で外せたそうですが、残りの一本はドリルでボルトの頭を飛ばして除去したとのことです。

スパイダーが取れてしまえばスプライン部分の嵌め合いが若干キツイくらいで特に難しいことはありません。なかなかスプラインが入らずつい叩いてしまいましたが、$1500近くする精密機械ということを忘れてはいけません…。

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以上の理由と、入手性、重量、BB互換性などの点で、Rotorのクランクを選んだ方が良いと思います。

※FSA Team Issue Carbonは専用のBBが必要となります。通常のMegaExo BBではダメ。

ケイデンス用のマグネットは非常に磁力の高いものが同梱されていますが、付属の両面テープでは洗車時に脱落してしまいました。対策として、車用品店で購入できる、強力両面テープ(外装固定用などがいいでしょう)を使用して貼り直しました。

■Edge705の組み合わせ Quarq CinQo + Garmin Edge 705の組み合わせで使用しています。

ANT+Sportのペアリング、ゼロオフセットは全く問題なく行えました。Edge上ではAvg Pwr(AP), Jouleの表示が行えるほか、出力データにWattが含まれるようになります。

■解析ツール 非常に残念なことに、Garmin謹製のTraining Centerではパワーデータの表示が行えません。

MacOSXを使用しているためWKO+が使えないのですが、MonbelloSoftwareのAscentという製品で、GPSデータ、パワーデータの解析が行えます。ただし、Ascentでのパワーデータ解析はAP計算、ゾーン表示のみとなっており、中途半端と言わざるを得ません。

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手前味噌ですが、TCXファイルの解析ツールはコツコツと作り続けており、ブログエントリに書いている内容は自作ツールの出力結果です。早いところ公開したいのですがなかなか手が回りません。

■まとめ いくつか小さな問題はありますが、ANT+Sportに対応した歪みゲージ式パワーメータとして将来有望だと思います。もう少し安価であれば文句ないところですが、競争相手がいませんから価格を下げる必要も無いのでしょう。安価なパワーメータが必要な方、ガジェットマニアにはお勧めできるアイテムということは間違いありません。

過去のエントリについては以下をご覧ください。

CinQoネタ:

解析ツールネタ:

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