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モーターサイクルと自転車とキャンプの日々。

パワーメータの書籍、用語まとめ

パワーメーターの用語とかテストについて軽くまとめ。

自転車でのパワーメーターを利用したトレーニング、レースに関する書籍はいくつか持っていて(すべて洋書)、これは重要と思っているのが以下の3冊。

  • Training and Racing with A Power Meter (Hunter Allen / Andy Coggan)
  • The Cyclist's Training Bible (Joe Friel)
  • Base Building for Cyclists (Thomas Chapple)

Training and racing with A Power Meter(以下、Hunter本)は、パワーメータ利用者の原典と呼ぶべき内容で、FTP (Functional Threshold Power) / NP (Normalized Power) / TSS (Training Stress Score)といった用語はすべてこの書籍から登場している。この書籍には、具体的なトレーニングの内容はあまり書かれていないので注意。

The Cyclist's〜(以下、Bible)とBase building〜(以下、BBC)はピリオダイゼーションを用いたトレーニングの書籍。指標として心拍、パワーを利用する。特に後者は、ほぼ全てパワー値を基準として書かれている。

ちなみに、もし私が一冊選ぶならBBCかな。

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さて、用語について。

FTP / CP FTP=Functional Threshold Powerは1時間に維持可能な最大の出力、CP=Critical Powerは特定の時間維持可能な最大出力。

Hunter本ではFTPを使用、それ以外の書籍ではCPを使用する。単にCPと書かれた場合はCP30のことで、これは30分維持可能な最大の出力を表している。

FTP / CP値が大きければ大きいほど、長時間高出力を維持できる、ということになる。

FTPとCP30を比較する場合、CP30の方が計測時間が短いため、そのままではCP30の出力値が高くなってしまう。直接比較するのはCP60=60 minutes Critical Powerとなり、これはCP30の値を95%したものと考えれば良い。

例えばCP30が300Wであれば、300 x 0.95 = 285 となり、FTPおよびCP60は285Wと言える。

NP / AP / xPower NP=Normalized Power(正規化出力)、AP=Average Power(平均出力)。

自転車の出力はパワーメータユーザはご存知のとおり大きく上下しているため、特定の式によって一定時間の平均出力に「均した」値がNormalized Power(詳しい式は端折ります)。Average Powerは言葉の意味そのままで、ワークアウト中の平均出力となる。

xPowerはLLC Physfarmが商標を保有するアルゴリズムだが、これはNPとほぼ同様と考えて良い。式を確認したところ、移動平均を採るウィンドウサイズがNP=30sec, xPower=25secになっているようでした。

IF / RI / VI IF=Intensity Factor / RI=Relational Intensity。IFとRIは同じ。

NPをFTPで割ったものがIFで、1に近づくほど限界に近いワークアウトと言える。もし頻繁に1を超える場合、FTPが適正ではないと考えられるため、テストを行ってFTPを再計測することが望ましいといえる。

VI=Variability Index(変動指針)はワークアウトの上下幅を表す値。NPをAPで割ったもので、例えばNP 300WでAP 100Wの場合にはVariability Indexは3となる。数値が大きいワークアウトはインターバル的な内容と定義できる。

ちなみにGolden CheetahいはVIに相当する指標が無いため、私はこの指標の使い方が解りません!

TSS / BikeScore TSS=Training Stress Score(トレーニング負荷得点)。BikeScoreはLLC Physfarmの登録商標ですが、TSSと同等と考えて良い。

ワークアウトによる身体の負担を数値化したもの。FTP相当の出力で1時間のワークアウトをこなした場合に100となる。短い時間でも強度が高ければスコアは高くなるし、長い時間でもゆっくり走ればスコアは低くなる。

Hunter本によれば、TSSと回復までに必要な期間は次のようになる。

150未満翌日には復活
150-300翌日にはだいたい回復するが、完全に回復するには翌々日までかかる
300-450回復に二日以上かかる
450以上数日間疲労が残る

えーとこの他にもPE / RPE, ATL / CTL / STS / LTS / TSB / SB, MMPC / CP Curveなどなど様々な用語があるのですが、基本的なものはまとめたつもりなのでいったん切ります。

ここに挙げた以外の用語、テストプロトコルについても記述予定ですので気長にお待ちください。

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初版はこちら。

いわゆる`bible'

これがBBC. おすすめ。

UPDATE: 0rkenさんに指摘をいただいてNPの説明部分を更新。

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